5月17日はノルウェーの憲法記念日、ノルウェー国民にとっての”ナショナル・デー”です!
ノルウェー国民にとって”5月17日”は特別な日です。
人々がノルウェーの民族衣装であるブーナッドを着て一斉に街へ繰り出し、この記念日をお祝いします。
そんな1年に1度のビッグイベントをここトロンハイムで体験しました。2019年5月17日のトロンハイムは快晴で気温も20℃前後!絶好のナショナルデー日和でした。3日前まで曇りがちで寒かったのが嘘のようです。
今回は私が住んでいるトロンハイムでの憲法記念日の様子を書かせていただきます。
そもそも憲法記念日って?
日本人的には「”建国記念日”または”独立記念日”にお祝いする」なら理解できますが、なぜ”憲法記念日”にお祝いするのでしょうか?そもそも”憲法記念日”ってなんでしょう?憲法記念日というくらいですから、憲法が制定された日だと思うのですが、なぜその日が国民全員でお祝いするナショナル・デーなのでしょうか。
”憲法記念日”は1814年にノルウェー独自の憲法(アイツヴォル憲法)が初めて調印された日。
”憲法記念日”について理解する鍵は「ノルウェーが長くデンマーク・スウェーデンに支配されていた歴史」にあります。
ノルウェーは、憲法が制定された1814年8月まではデンマークの支配下でした。しかし当時、ノルウェー国民の間ではフランス革命思想の影響を受けた人々が自らの力での独立を望み、憲法制定に奔走していたのです。そして5月17日に独立を願ってノルウェー憲法を調印。しかし、この年からスウェーデンの支配下になることが決まっていました。スウェーデンからの独立は1905年6月7日まで続いたので、”独立記念日”ではなく、5月17日は”憲法記念日”です。この日をナショナル・デーとしたのは、この憲法によってノルウェー・ナショナリズムが生まれ、独立の大きな源となったからだと思います。
トロンハイムでの憲法記念日
憲法記念日の1日の流れ
憲法記念日では国民が街中をパレードします。住んでいる街によって、細かいところは異なります。トロンハイムでのざっくりとした流れは
・午前:子ども達(小学2年生以上)のパレード。学校ごとに。
・午後:一般市民のパレード。
・夕方:Russ(ルス)と呼ばれる高校3年生のパレード。
でした。未就学児は前日16日にノルウェーフラッグを持って、幼稚園のまわりを少し歩きます。長女が通っているところの先生は”practice(練習)するの”と言っていました。小さな村などでは未就学児も本番のパレードに参加するようですが、トロンハイムでは小学2年生以上でした。
一般市民のパレードは、様々なコミュニティからの参加で、大人も子どももいます。例えば子どもの習い事のコミュニティでパレードに参加します。
パレードは街の中心地近く(sentrum)に行けば、大抵どこでも見れます。私が確認した限りではNidaros Domkirke(ニーダロス大聖堂)、Munke gata(ムンケ通り)、Bispe gata(ビスペ通り)、Nordre gata(ノルドレ通り)、Old town bridge(跳ね橋)近くで見れました。
ちなみに細かなルートや参加団体・順番は5月17日前になると、Trondheim Kommuneのホームページから見れた(英語版もあり)のですが、既にページが削除されてしまいました。
トロンハイムのパレード
17日の朝、目覚めるとマーチング・バンドの音が外から聞こえてきます。窓から外をみると、華やかなブーナッドを来た人々が沢山歩いていました。娘達にブーナッドを着せ、私たち夫婦も少しおしゃれをして街へ繰り出しました。
9時50分頃にニーダロス大聖堂に着くと、既に子ども達のパレードが始まっています。各小学校の先頭の子は校旗を持って歩きます。
後ろを歩く子どもたちもノルウェーの国旗を持って歩いています。子どもたちは各々自由に歩いています。
大聖堂の前も人が沢山。ブーナッドを着て記念撮影でしょうか。
コメント