”夏至祭”というと同じ北欧のスウェーデンやフィンランドでは祝祭日となっており、賑やかなお祭りをすることで有名です。
ノルウェーでも一応”夏至祭”はありますが、祝日でもなければ街全体でお祭りの雰囲気もないので、自分から興味を持っていないと体験できません。(街にもよります。オスロやベルゲンなどの南部では盛大に行われているところもあるようです。)
ここトロンハイムではオープンバーネハーゲもあった”Sverresborg”(オープンエア民族博物館)で有料の夏至祭が開催されました。
夏の長い夜を祝う厳かなお祭り…というよりは子ども向けのお祭りでしたが、4歳になった娘も楽しんでいました。今回はその夏至祭の様子について書かせていただきます。
そもそも夏至祭とはなんぞや?
ノルウェーでは夏至祭のことを”St. Hans(サンクトハンス)”と呼び、6月23日の夜に開催されます。
なぜ天文学的な夏至の定義である6月21日ではなく、23日の夜に行われるのでしょうか?それは23日がキリスト教の洗礼者ヨハネの生誕日(6月24日)の前日(イブ)だからです。”Hans”は”Johannes(ヨハネス)=キリスト教の洗練者ヨハネ”の省略語のことで、クリスマスはイエス・キリストの生誕祭、夏至祭はヨハネの生誕祭ということです。
伝統的な夏至祭ですと、湖やフィヨルドの海岸沿いで焚き火をして、夜通しその火を見ながら花冠を編んだり遊んだり…ゆっくり過ごすそうです。
トロンハイムの夏至祭@Sverresborg
トロンハイムでは”St. Hans på Sverresborg!”というイベント名で、大きな屋外展示施設がある民族博物館で夏至祭が行われました。他にも探してみたのですが公で他に行っているところはどこも車で行くような海岸沿いでしたので、こちらに参加してみることにしました。有料で、値段は大人1人165NOK(≒2,000円)、3歳以上の子ども1人45NOK(≒560円)です。
Sverresborgの夏至祭は15時スタート。メインイベントである焚き火が17時45分スタートでした。あまり早く到着しすぎても娘は飽きてしまうなぁと思い、15時に家を出発しました。
“Gamle Oslovei”という最寄りのバス停に到着すると、いつもは開いていない裏口がオープンしていて係員が待機していました。事前にネットで購入したチケットを見せて、さっそく中へ入ります。最寄りのバス停は裏口からはすぐなのですが、正面入口までは500mほど歩かないといけない(それほどこの博物館は広い)ので正直助かりました。
各種イベント
裏口から入ってすぐの池のところで早速何やら催しものが。木の舟を工作して、子どもたちはそれで遊んでいます。
ということで、私達も一緒に作りました。作るといっても各種パーツは切られたものが用意されていて、少しナイフで削って棒を細くしたり穴をあけたりするだけですぐに完成します。舟の帆が白樺の木の皮なのがなんとも北欧らしいです。
池に浮かせて喜んでいた娘ですが、遊んだ後の濡れた舟を持つのは親の役目。完全に順番を間違えました。「このイベントは後回しにすべきだった…」と思った私なのでした。
次に行ったのが、フェイス・ペインティングイベント。
ノルウェーの子どもむけのイベントで多いのがこのフェイス・ペインティングで、4歳の娘はこれが大好き。しかしこのフェイス・ペインティング、結構本格的なので1人1人に時間がかかるのです。しかも結構人気でいつも待たされます。夏至祭でフェイス・ペインティングイベントがあるのは知っていたので、開催場所を探します。早めに行って、順番待ちの名前が記してあるノートに早めに名前を書くことが重要なのです。
ありました。Barnehage(バーネハーゲ:保育園)に関するミニ博物館の中でやっているようです。15時スタートで15時40分くらいに着きましたが、もう10名くらい順番待ちの子どもたちがいます。ノートに名前を書いて、時間つぶしに他のところへ行くことにしました。
屋外型の博物館なので、動物もいます。豚さん。この子に草をあげて娘は楽しんでいました。
ひとしきり豚さんと遊んだあと、フェイス・ペインティングの会場へ戻りました。ちょうどあと3人くらいになっていたので、そのまま待ちました。動物の顔や花柄など色々なフェイス・ペインティングの見本があって、娘が選んだのがこちら。眉間にあるピンクのお花ストーンがお気に召したようです。
フェイス・ペインティングを終えると、弦楽器の演奏が聞こえてきます。そちらに引き寄せられると子どもたちがミニコンサートを開いていました。ノルウェーの子どもたちは日本の子どもたちがまず最初にピアノを習うように、ヴァイオリンを習うそうです。
演奏を聞き終えて、まだ行っていない正面入口の方へ向かいました。民族博物館なのでノルウェーの古い家々の間の道を通ります。
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